ここ数年、インターネットを使って印刷会社へデータを送り、印刷物を宅急便などで送って届けてもらう印刷通販が増えています。
値段を比べてみると、今お願いしている印刷会社より桁違いに安いけれど本当なのかなと思う方も多いと思います。
この記事はそんな方のために、印刷通販がなぜ「安いのか」仕組みとメリットやデメリットを解説しました。
ぜひ一度、目を通していただき印刷通販を上手に利用してコストを大幅に削減し利益向上につなげてもらえればと思います。
印刷通販が安い3つの理由
印刷通販が安い理由は大きく分けて3つです。
印刷通販が安い理由
- 同じ仕様の印刷物を集めてまとめてに印刷する事。
- 人件費の削減している事。
- 原材料を低価格で仕入れている事。
ここでは、印刷通販が安い3つの理由を説明していきます。
同じ仕様の印刷物を集めてまとめて印刷する
印刷通販では同じ仕様(用紙・印刷色・サイズ)の仕事をネットで全国から大量に集めます。
一般の印刷会社では、顧客の要望を聞いて作るのでひとつひとつ仕様が違いますが、
印刷通販では、サイズや用紙の仕様があらかじめ決まっているので、同じ仕様の印刷物が大量に集まります。
上の画像を見て欲しいのですが、一般の印刷会社は1つの印刷物ごとに印刷用のハンコを作りますが、印刷通販では集まった同じ仕様の印刷物をまとめて一つのハンコにします。
こうすると、一般の印刷会社は1つの印刷物しかできませんが、印刷通販では8つの印刷物ができますよね。
そして、一般の印刷会社では印刷費用を全部1人へ請求しますが、
印刷通販なら、かかった印刷料をできた印刷物の数で割ればいいので印刷料が格安になるという訳です。
ポイント
印刷機をタクシーに例えれば
一般の印刷会社は印刷機を一人で走らせる貸し切りタクシーで、
印刷通販はみんなで印刷機を走らせる乗り合いタクシーです。
人件費の削減
印刷通販では集客・見積もり・受注からデータの受け取りまで全てWEBで行う為、営業マンは必要ありません。
お客様が完成データを入稿するので、制作担当もいりませんよね。
一般の印刷会社では営業と製作担当を合わせると全社員の50%位だと思いますが、印刷通販ではこの部分の人件費が不要になりコスト削減できます。
サポートセンター担当や入稿データの不備をチェックする担当は必要になりますが、少数精鋭の人員で運営されているようです。
原材料低価格仕入れ
印刷通販では紙の種類や印刷する色を絞り、同じ種類の紙やインクを大量に仕入れるので原材料の低価格で仕入れが可能です。
※インクや用紙等の印刷資材は各印刷会社ごとに仕入れ単価が異なります、基本的に仕入する量が多ければ多いほど安く仕入れることができます。
印刷通販3つのメリット
- 激安で印刷できる。
- 短納期で印刷できる。
- 印刷料金がすぐわかる。
激安で印刷できる
たとえば「A4サイズ 片面カラー コート90K用紙 1,000枚 3日納期」で
印刷通販に発注したらいくらになるか東京カラー印刷・プリントパック・印刷通販JBFで確認してみました。
■A4サイズ 片面カラー コート90K用紙 1,000枚 3日納期 税込
東京カラー印刷 | プリントパック | 印刷通販JBF |
2,945円 | 2,946円 | 3,400円 |
※価格はすべて税別、調査年月日2019年10月22日。詳しくは各社様のサイトでご確認ください。
・・・桁違いに安いです。
一般の印刷会社なら40,000円(税込)くらいですので、印刷通販に切り替えれば37,055円の経費節減になります。
注意ポイント
業種にもよりますが37,055円の利益を上げる場合、大体10倍の370,550の売上が必要になります。
速乾印刷機・24時間稼働で短納期対応
印刷通販では短納期に対応する為に両面を一気に印刷して速乾するUV8色機など、一般の印刷会社からすれば夢のような印刷機が導入されています。
更に印刷通販は24時間年中無休で稼働していますからどちらが早いか考えるまでもないですよね。
※UV8色機とは(紫外線)を照射すると乾燥(硬化)するUVインクを使用し印刷と同時にUV照射ユニットで乾燥させる事ができ、しかも両面カラー印刷(8色)できる夢のような印刷機なんです。
印刷料金がすぐわかる。
印刷通販では印刷料金ををWEB上で公開しているので、いつでも手軽に知ることができます。
一般の印刷会社なら営業マンに連絡し、見積もりを依頼して待つので、価格がわかるのは翌日以降になります。
これは、印刷通販の方が便利ですよね。
印刷通販のデメリット
印刷通販にはデメリットもあり、場合によっては一般の印刷会社へ発注した方が良い場合があります。
印刷物の相談ができない・融通が効かない
一般の印刷会社なら営業マンが用紙の種類からチラシの内容まで相談に乗ってくれますが、印刷通販の場合は相談できません。
営業マン自体がいないので長い付き合いなので融通を効かせてくれるなんて事もありません。
印刷データを自分で用意
印刷通販は印刷用データをお客様が用意する必要があります。
印刷用のデータを自分で作るのは時間・手間がかかりますし、デザイナーや印刷会社のプロが作ったデータと比べるとどうしても見劣りします。
素人が作った印刷物と腕のいい営業マン・デザイナーが作った印刷物では効果がまるっきり違いますので、一度相談される事をおすすめします。
色調整はシビアにできない。
印刷通販では複数の印刷物を付け合わせして一気に印刷するので細かい色調整はできません。
印刷機の指定もできないので、同じ印刷用データを使ってパンフレットを増刷しても、前回印刷分と色味が合わないことが多いです。
色にシビアな印刷物は、色見本にできるだけ色合わせするオプションがある印刷通販を使って、トラブルを防ぎましょう。
ただし、オプションをば付けるほどコスト面・納期面のメリットがなくなるので注意してください。
大ロットの印刷物や特色・特殊紙はそんなに安くない
大ロット(50,000枚以上のチラシや500冊以上の冊子等)になると、一般の印刷会社と値段が変わらない事が多いです。
特に折込チラシの場合は輪転機のある、一般の印刷会社の方が低価格・短納期で対応してくれますので地元で探してみる事をおすすめします。
まとめ 上手に使い分けましょう
サイズが小さい、枚数が少ない、あまり品質を求めない印刷物は印刷通販を使ってコストを削減し利益を向上させていきましょう。
しかし、印刷にクオリティを求める場合や、相談しながら進めていく販促物や大ロットの折込チラシは地元の印刷会社へ頼んだ方が良いです。
印刷通販と一般の印刷会社、それぞれのメリットを生かしつつ使い分けることが大切ですね。